平面充填ペンダント制作
平面充填とは
平面内を有限種類の平面図形で隙間なく敷き詰める操作である。
敷き詰めた平面図形からなる平面全体を平面充填形という。
(敷き詰める図形の意味を示すので英語でtileと言う 図形=tile)
1種類で平面を充填できる正多角形は、正三角形、正方形、正六角形の3種類のみであり、
ピタゴラスの定理によって証明された。これらは正平面充填形 (Regular Tessellation) とも呼ばれる。
非周期充填
周期的なパターンによる充填以外に、非周期な充填も可能である。
現在最もタイルの種類が少ない非周期充填は、
Socolar–Taylor tileと呼ばれる一種類の非連結なタイルによるものである。
連結な1種類のタイルによる非周期充填は発見されておらず、
連結なものに限ればイギリスの物理学者ロジャー・ペンローズが考案した、
2種の菱形タイル ペンローズ・タイル によるものが最小である。
ペンローズ・タイルは、正五角形の各頂点を繋ぐと二つの二等辺三角形が現れる。
2種類の二等辺三角形のみで十角形を充填してみました。
回転⇒鏡面複写を繰り返して、何とかピザの10分割を作ってみました。
(非周期で作る為に、鏡像で反転させることをお忘れなく)
現在最もタイルの種類が少ない非周期充填は、Socolar–Taylor tile
この形が基本形になります。今のところこのパターンしか発見されていません。
ご覧の通り非周期です。
10分割ピザを底辺基準に鏡像複写させて、中心点から5ブロック
中心点を基準に360度 環状配列させるとライン完成です。
周期的なタイルに見えるけど、非周期で不思議なタイル
2種類の二等辺三角形を押し出して立体にした後、色分けしています。
模様が浮かび上がって来ました。
イメージを見る為にペンダントを平面で作ってみる
2種類に分けたので、裏張りと本体にして立体的に図形を配置してみる
表側 裏側
非周期だけど周期的なタイル模様が浮かび上がりました。
裏側の接点が離れている為、円柱で繋ぎ合わせました。
樹脂造形後 樹脂モデル
樹脂造形して原型用として仕上げ加工
ゴム型に詰めて型取り⇒鋳造⇒仕上げ加工
ペンローズ・タイルを作ると、数学・数字の面白さを実感する。
一般的に平面充填は正多面体で作られる。
二種類の二等辺三角形、正五角形では作ることのできない充填配列を
五角形から割り出された三角形を使い見事に作り上げた想像力は素晴らしい
流石!ノーベル物理学者ロジャー・ペンローズ氏
正多面体の平面充填
1種類で平面を充填できる正多角形は、正三角形、正方形、正六角形の3種類のみであり、
ピタゴラスの定理によって証明されている。
これらは正平面充填形 (Regular Tessellation) とも呼ばれる。
(p-2)q=2p で表される
*pは、多角形の頂点の数
*qは、360°頂点角度の和、正三角形の各角度60° 360÷60=6
例: 正三角形 (3-2)*6=2*3
素数のみ色の配置を変えると面白いが、CAD図面だと簡単でチャレンジするには面白くない。
正多角形の平面充填
一種類の場合と同じように、正多角形のみでできていて、
頂点形状が一様なアルキメデスの平面充填と呼ばれる平面充填が8種類ある。
正八角形・正十二角形も含まれて来る。
360°頂点の和は、(p-2)q=2pの範囲でなければ作れない。
頭の体操で作ってみました。
8種類のアルキメデスの平面充填図面制作
正方形と正三角形の平面充填
基本形が出来ると、スライド複写で連続に描くことが出来る
正六角形と正三角形の平面充填
基本形を作り横にスライド複写その後で下にスライド複写
正六角形と正方形と正三角形の平面充填
基本形を作り横にスライド複写、2列目をズラして2列下へスライド複写
正八角形と正方形の充填配列
基本形からスライド複写、簡単に作れる形状
正十二角形と正方形と正六角形の充填配列
基本形を作り、中心点から環状配列
すべて偶数の頂点数、スッキリした形状が現れる
正十二角形と正三角形の充填配列
基本形を作り、環状配列で増やしていける
見たイメージは、円に見える
正六角形と正三角形の平面充填 順序
これが、こうなって~こう↓
正六角形と正三角形の平面充填
基本形を作り、中心点から6個360° 環状配列
目の錯覚があり、環状配列の中心点探しに迷う
規則性が変則的、定期に現れてくる。・・・ムズイ・・・
ペンローズタイル、エッシャーのだまし絵は、これがヒントではないかと
思ってしまいます。
8種類アルキメデスの平面充填と呼ばれる平面充填、正六角形と正三角形の平面充填は、
制作中に目の錯覚を感じながら8種類の中では難しい。
CAD図面制作は、人それぞれにより作り方も異なる。
その時の閃きで作り始める。
最終的には、同じ形になりますが
作り始めのきっかけはどこから来ているのでしょうか?
不思議です。
Girih Tile(ギリータイル)
中世イスラム建築に使用されている幾何学模様のギリータイル
歴史的に解明されていなかった。
科学専門サイエンス”にペンローズタイルと同じだと論文が掲載されました。
(2007年2月掲載された。中世から辿ると最近の内容になります)
基本形の形を中割するパターンで作られている
五角形が基本形状
細かく分割していくと二つの四角形の組み合わせ
頂点を起点に鏡像・環状配列で作られている
ペンローズの量子脳理論
脳内の情報処理には量子力学が深く関わっているというアイデア・仮説を提示している。
その仮説は「ペンローズの量子脳理論」と呼ばれている。
物質は重ね合わせから条件を選ぶことができると言う、
意識は原子の振る舞いや時空の中に既に存在していると解釈する。
数字・数学は、奥が深い。
この図形をCADで作るのはとても面白かったです。