成分分析 品位測定方法

定性分析と定量分析

定性分析とは、母体地金の中に含まれる元素、何が入り構成されているか?測定すること。
定量分析とは、母体金属やそれに含まれる元素それぞれ正しく何%あるか測定すること。

定量分析は、プラチナ品位、純金品位測定を行う場合、ICP発光分光分析法
(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy:ICP-AES)で測定する。
純金品位の場合、この他乾式重量法で測定する方法もある。(ICPと同等の分析可能)

ICP発光分光分析

シアン系試薬に0.30g~0.50g溶かし、1/1000 PPM以上の範囲 オーダーで測定できる。(0.001%以下)

純金・純プラチナなど品位測定に使われ、貴金属合金会社はこの測定方法が基準となっている。
*試薬に溶かす時間に3日間、測定に1元素30分時間が必要。その後計量線解析。(破壊検査)

波長分散型蛍光X線分析

破壊測定であるが、測定検体の表層のみ測定する。

蛍光X線分析装置の中で最上級の測定装置。1元素ごとに測定検体表面に放射線をあて、測定する。
測定検体20mm(2cm)~30mm(3cm)の大きさが必要。マスター試料があれば1/100 (0.01)測定可能。
時間はかかるが、測定元素の確実性品位%誤差が0.5%前後以内。弊社独自の試料データ解析により、
誤差数値が約0.10%以内となっている。99.9以上の測定は可

能であるが、マスター試料との比較になり、社外秘となる。測定時間は、
15分~30分、測定用に平らな円形資料作成が必要。(破壊検査)

 

エネルギー分散型蛍光X線分析装置

定量分析法として使用しない

一般的な蛍光X線測定装置、エネルギー分散型を使用する。放射線を全元素同時にあて、測定数値を確認する。
定性分析が主な目的の為、定量分析には使用しない。全元素同時に測定する為、誤差が生じ、
波長の近い異なる元素であると、誤認する場合も起こる。測定装置メーカーにより誤差範囲があり、
測定元素の誤差を生じる。測定誤差補正は各社オリジナルソフトにより補正される。(誤差0.5%~5%)
最新測定方法は、標準版検体を測定しその数値を、プロダクト補正する。その方法で測定することにより、
正確な品位測定が可能になっている。測定検体に使用されている元素を元にプロダクトが必要になる。
機械の性能により、測定元素の下限がある。カドミウムのような軽い元素は測定できないものが多い。

 

乾式重量法 粒度分布測定装置

金・銀・銅などそれぞれ、専用試薬に溶かし乾燥させ全体の重さからその他の元素を差引、
何%であるか?計量する方法。乾式重量法と呼び、PPMオーダーでの測定が可能。貴金属であれば、試薬が金・銀しかない。
プラチナ測定方法は、ICPとなります。分析方法は、さまざまありますが、何をどのように測定するか?
しっかり理解した上で想定方法を選択する必要があります。
造幣局ホールマークは、プラチナであれば、ICP分析、純金・18金であれば乾式重量法を採用して測定しています。
品位を確実にとらえ見る為には、ICP発光分光分析法分析が必要となります。

強度テストと元素測定

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