


溶解した単体イリジウム金属
イリジウム鋳造
上記の内容ができたので、できそうな予感がしましたので考えてみました。
(鋳造条件が最も難しい金属である為、課題クリアーに必要条件を含んでいる)
超合金(Superalloy)
今を代表する特殊合金として、騒がれている金属。
耐熱温度が、1120℃が現在の最高峰。(合金融点ではない)
内容は、主にジェットタービンに使用する為の強度と耐熱性を備えた金属。
高価な貴金属を使用すれば可能なものですが、採算ベースが合わない。
タービン翼の耐熱性が40℃上がると、燃費が1%削減できます。1%は飛行機
1機あたりの燃料代にすると年間で1億円ぐらい削減可能。
詳しくはこちら
目標・課題
融点の高い金属は多々ありますけど、クリープ試験に耐えて1200℃以上の耐熱性のある金属。
それと金属価格・重さ密度のトータルバランス。
使用される合金は、ニッケル金属をベースに配合分量を状態図と強度試験データを基に、Cr/Co/Mo/W/Al/Ti/Nb/V/Hh/Ta/Re/Ru/Ir/Zr/C/B/Siなどを配合して条件に耐えうる合金開発が成されている。
どの元素を配合するのか?量産加工に耐える金属加工ができるなら、新しい世界が始まる可能性が高い。
克服しなければならない課題点
コンピュータシミュレーション・3D状態図では可能なのですが、実際はクリープ試験でNG.
当然かな?
実際の環境下では、いろんな物質的影響が起こる。
作業進行で通常に考えて行く場合、過去の配合から改善を行いながら試験を進める。
それは良いとして、使用元素が多いぶん、的を絞れないことや
金属同士の相性・性質も環境下で変化する分析が難しい。
学者になると一つの事柄に囚われて、マクロになり過ぎ全体が見えてこない。
アインシュタインのような、殻から飛び出した発想が必要ではないでしょうか。
理解力(この分野の方は、優秀な方が多い)
溶解金属と粉末冶金で合金される、それぞれ性質の違いが理解されていない。
コンピュータシミュレーション合金は、粉末冶金に近い。全溶解された溶解合金と粉末冶金では、
何が違うか?理解できると合金可能と合金不可能がわかる。チタン・タングステン・アルミは、
酸素と反応が早い為、使用素材から発生する酸素や窒素の影響がでやすい。
製品になり、ジェット機エンジン・発電タービンとして使用する場合、実験する施設と異なり、
環境下では更に厳しくなる。植物を温室で育てる環境と、自然環境そのままで育てるくらいの違いがある。
合金の前に
合金配合を検討する上で大切なことは、金属同士の相性。
金属溶解では仲が良い金属は、上手く合金出来ない。
良い相性とは?それらを検討しているか?
(鋳造性に優れた合金・全溶解可能な合金のこと)
金属同士の相性=調和
相性とは?酸化還元・金属間化合物を起こしやすい金属などは、仲が良い金属として、
相性は合金溶解内で反応せず上手く調和する金属同士になる。
それを頭の中に入れておきます。
金属同士の相性・調和とは?
例えるなら他元素同士がチョコレートのように溶けて混ぜ合わせることが可能か否か?
ナッツ入りチョコ・フレーク入りチョコも美味しいのですが・・・
耐熱強度は、どうなるのでしょう?ブラックサンダーは好きですけど。
(ナッツ類がタングステンと同じ役割に近い)
不可解な相性
例えば、シルバーにイリジウムを添加すると、イリジウムの粒子はその時のままを維持し、
金属結合にならない。本来意図した合金になっていないもの。
そんなことはないと反論がありそうですが、事実です。
焼結も同じく、そこに、シミュレーションと現実の開きが現れる。
タングステンも同じく、融点が高すぎること、1000℃前後の温度帯で酸素と反応し、安定しない。
Pt90% Ir10% 合金は、問題ない配合ですが、Pt10% Ir90%だと脆さが著しく、金属素材としての役割を果たさない。
Ag90% Pt10%合金は問題のない配合ですが、Ag10% Pt90%は、合金にすることが難しい。また溶解が困難。
そのように、合金は全体像が見えた上で配合を検討して行かなければ、上手くいかないものです。
超合金配合
上記を理解した上で、過去の配合データを確認して、どのような考えを持って配合しているか?
予測します。
凡その感覚で特性が見えて来ます。
耐熱鋼やステンレス鋼は、金属配合特性のメカニズムで耐熱材料に位置しますが、
さらに温度が高くなると、鉄 ベースの合金では拡散が速くなりすぎて転位の固着ができない為、
鉄 以外の元素が主要元素となる ニッケル 基や コバルト 基の超合金と称する合金が使用される。
元素溶解に使用される溶解ルツボから酸素・炭素が発生することを前提として、
それらからあまり影響を受けない元素を考慮し検討します。
超合金成分表はこちら
添加元素候補
Cr/Co/Mo/W/Al/Ti/Nb/V/Hh/Ta/Re/Ru/Ir/Zr/C/B/Cu/Ag/Mn/Fe
↓少し絞り込み、元素を増やす
Cr/Co/Mo/W/Ta/Al/Ru/Ir/Cu/Ag/Mn/Fe/+Pt/+Rh
白金族を使用すると効果は得られますが、価格と重さが増し軽量化が問題になる。
Pt/Rh元素は、試験する価値はありますが、価格が問題。
Rhは無理ですね。(あまりにも高価)
価格高騰したイリジウム・ルテニウム・ロジウム・レニウムに比べプラチナは、
逆に下がっているので、利用価値はある。
元素特性表参照(この先の値動きは、不明です)
添加元素候補の絞り込み(白金族元素の計を最小に)
Cr/Co/Mo/W/Ta/Al/Ru/Ir/Cu/Ag/Fe/Pt
Cu/Ag配合は、本当にタブーなのか確認。
出来るだけ使用元素を減らしたい。
多元合金にすると、その元素数だけ融点が下がります。
どのパターンが上手くいったのでしょうか?
(金属の溶解方法次第で、どの配合も鋳造は上手くいきます)
状態図3Dコンピュータシミュレーション、合格なのでしょうか?
NGだとしても現実クリープ試験は、合格出来るのでしょうか?
*T5をテスト溶解して、全体の合金状態と溶解で発生する状態を確認する。
Ag添加がトラブル要因になることは分かる。
(Cu配合にはAgが必要になる)
*Cr/Co/Mo/W/Ta と白金族Ru/Ir/Pt元素は、
分量を固定して、Cu/Fe/Ag/Al の分量を排除または、増減して確認する。
*Reを使用しない理由は、酸素と反応が大きく、揮発性が高く再現性が低くなる金属特性を持つ為。
(Ruを多く使用する方で効果が得られる)
添加元素候補さらに絞り込み(白金族元素の計を最小に)
最終的には、↓この元素のみで配合したい
Cr/Co/Mo/W/Ta/Ru/Ir/Cu/Pt
鋳造性に適した、配合を検討する。
代替金属も検討して、最終的に配合を決める。
合金の相性は良いと思える配合ですが、金属を溶解して合金する工程方法
が課題になり、合金方法が機密事項になります。
合金次第で、素材強度は想定内に品質が上がります。欠陥の要因は、
金属の合金。シミュレーションに近づける方法・改善が合金法になります。
空想実験(思考実験)
超合金成分表はこちら
上の表を確認して頂くと、何がしたいのか?理解される方とそうでない皆様が
いらっしゃると思われます。融点・強度・耐熱性・耐摩耗性を向上するには、
モリブデンの配合が溶解合金として、効果を上げると思えるのです。
脆さの発生が抑えられない為、それには白金族添加が必要になります。
白金族も元素により異なりますが、Ru/Ir/Pt元素は、比較的配合可能。
Pt元素が多い方が、合金をまとめる効果は得られる。
いろんな金属と合金性に優れる金属は、Au/Cu Auは高価な為、Cu添加する。
融点が下がる特性はあるが、Moが補う。
Niの含有率は、60%前後、白金族5%前後。Cr/Co/W/Ta/Cu計25%
固定して鋳造性と強度確認すると、見えて来る。
おそらく、鍵はモリブデン。Mo配合は、10%までと予想する。
ケイ素・炭素・ホウ素(Si/C/B)・・・余談
この組み合わせは、高融点金属の融点を大幅に下げることが出来る。
鋳造すると、バランスは崩れどの程度配合した元素が残留しているか?
不明になりやすい。溶解合金精製が、鋳造性を安定させる必要な工程。
プラチナを浸炭させると、融点が1000℃前後まで下がる。
鋳造条件には良いですが、再現性は、安定しない・製品品質も劣る。
(鋳造が下手だと言われる)
という内容で、超合金にはSi/C/B元素が添加されている。
*もしかすると、中国製のIrルツボこの方法で、溶解鋳造しているのではないだろうか?
エネルギー分散型蛍光X線分析装置では、測定できない元素でもある。
それは、純イリジウムと呼べるものだろうか?でも、良い発想です。
これで大方、研究内容を記載することが出来ました。
次回は、埋没材料・ルツボ材料を考える。
専門外で難しいのですが、現状では…存在しないものなので、作るしかないのです。