純鉄の鋳造

純鉄
純鉄とは、純度が99.90～99.95％程度、炭素含有率が0.02％程度までの不純物元素が少ない鉄の種類。
一般的には、炭素含有率が0.02％以上の鉄については鋼、
純度99.999％以上の高純度の鉄については高純度鉄と呼ばれます。
純鉄は、交流磁場を発生させるのに適した磁性材料であり、
無線通信が欠かせない電波発生装置に必要な素材の一つです。
純鉄（SUY-1） – 特徴 炭素量、不純物共に低く絞り性、
軟磁性材料としての特性が良好で主にモーター用途としても使用されます。

Fe99.90～99.95％範囲　炭素量0.02％以下の鉄
比重　7.87　(SUY-1)

SUY-1は極低炭素、低不純物の軟鋼です。
JIS C 2504電磁軟鉄に規定される鋼種であり、一般的に純鉄と分類されている。
SUYは、磁気特性の値によって0種（SUY-0）から3種（SUY-3）まで4種類の分類があり、
0種が最も磁気特性の良い種類となります。

保磁力
圧力の加わる加工をすると保磁力が低下するため、プレス材だと磁力が弱まります。
製品によっては切削加工で制作を行わなければならない加工もあります。
純鉄は純度が高いがゆえに軟らかく粘性があり、切削加工が難しい素材と言えます。
鋳造である程度の形状を作り、表面研磨だけで完成させる。
保磁力を保った状態で製品を完成させることが可能です。

鋳造製品は、保磁力を保ったままで複雑な形状の制作が可能になります。
純鉄系を用いる目的としては、高磁束密度、高透磁率、低保磁力を狙った製品に利用されます。
製品例として、リレー、電磁石、磁気クラッチ、ブレーキ、発電機、モーターの鉄心、継鉄、
接極子、磁気シールドに用いる電磁軟鉄棒 など。

弊社製品実施例
弊社の鋳造ご依頼商品は、モデルガンのパーツ。
ステンレスやアルミ、亜鉛合金では出せない黒錆び色の表現を出す為に利用されています。
光の反射による色調表現は、顔料や塗装では人が感じる色調を再現できないようです。
鋳造製品は、複雑な形状の再現が得意なのですが、寸法精度が今一つ正確に再現出来ません。
一長一短ありますが、このような製造方法もあると頭の片隅に記憶して頂けると幸いです。