母体金属と添加元素 鋳造工程の考え方

母体金属と添加元素 鋳造工程の考え方

金属の種類は、周期表では1族から12族まで、水素を除いた元素はすべて金属元素と記載されています。
実際には、遷移元素も含め地球上に存在する100種類の元素うち70種類が金属元素です。
13族Bホウ素、14族Siケイ素、15族Asヒ素、16族Teテルル、17族Atアスタチン、
斜めに引いた線が金属元素と非金属元素の境界線にあたり、その付近にある元素は、
半導体など特異な性質を持ちます。

水素元素を除いたと記載されていますが、水素元素も条件下により金属特性に相転移するようです。
証明は、まだされていません。
ガス惑星の木星など、その金属水素状態になっているので磁場があるとされています。
金属元素以外でも温度と圧力次第で金属構造になることが定説。

母体金属
純金属で主となる金属元素のことを母体金属といい、純金属だけでは
柔らか過ぎ強度も小さく粘りがある為、加工が難しく製品として製作工程においても問題点が多くあります。
よって、それぞれの諸問題を補う為に適した素材元素を添加して合金が配合されています。

母体金属に適した素材と添加元素に適した素材特性があり、
どちらかと言えば、母体金属に適した金属元素は、少ないものです。

例えば、鉄やニッケルは、母体金属として使用できますが、
コバルトやクロムは、酸化しやすく
母体金属として利用することが難しい金属元素です。

貴金属元素である金・銀・プラチナは、銅も含め母体金属として使用されています。
常温大気で溶解させた時に酸化の影響が低い金属元素が母体金属に使用できます。
酸化被膜による酸化還元反応が溶解時に平衡を保てる金属も母体金属として使用可能です。
溶解中表面に酸化被膜を作り、酸素を遮断させる金属と溶解時に酸素と
化合しにくい金属元素だけが母体金属として使用可能です。

添加元素
添加元素は、母体金属の長所を活かしたうえで短所を補う配合を検討します。
微量な分量でも耐食性の向上・強度の向上・加工性の向上・耐摩耗性の向上
特殊な特性など、微量な添加により母体金属以上に向上させます。

添加元素の特徴として、単体元素の状態では、酸化・化合しやすく単体の状態では溶融が難しい。
母体金属が添加元素を覆い空気を遮断し合金特性を現します。

微量な配合で多元合金させて、添加元素同士でも長所を維持させ短所を補う相乗効果を得ます。
配合の分量によりその逆効果もあり状態図を見て予想し検討することが望ましい。

実際に合金して、想定した特性を得られるか確認する必要があります。
予想外な結果もあり得る為、合金後分析を行い検証する。
合金の面白さでもあります。

鋳造欠陥
合金配合において、避けて通れないことは、鋳造欠陥・巣の発生。
製品製造、製品完成度、製品の寸法精度に影響を与えます。

合金配合でも焼結法で製造する場合、焼結時の収縮が影響を与えますが、
鋳造欠陥は、溶融しない焼結法とは別に検討する必要があります。

金属間結合で、固体⇒液体⇒個体と変化させることが前提になる為、
固体から液体に変化する状況下、液体中の状況下、液体から固体に変化している状況下、
それぞれの状況で問題点が異なります。

さらにワックスの状態・形状、湯道の位置、鋳型作り工程、鋳型の焼成時間、
鋳造温度によっても鋳造欠陥の要因は広がります。さらに使用する合金の品質も見落としがちです。
合金の製造工程によっても鋳造欠陥は現れる為、要因が使用素材であった場合、
原因が掴めないことも起こり得ます。

各工程の状況を考慮して、合金配合を検討することが大切です。

母体金属を決定した後、各工程で想定される問題点を思い浮べ
要望される合金条件を満たした配合を検討する難しさが要求されます。
ほとんどの合金は、理論的な配合だけで各工程の問題点は考慮されてないのが現状です。

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