金属アレルギーの仕組み

アレルギーの先に


金属アレルギー仕組み
たくさんの皆様に読んで頂きありがとうございます。
想像以上に、見て頂けたました。
まだ、修正すると思いますが、完結しました。

アレルギーとは?
ある成分の摂取・接触などに引き起こる、その成分に対する異常な免疫反応。
即時型過敏症・過度に敏感な拒絶反応。
金属から溶出した金属イオンが、人体が本来持つタンパク質と結合し、
アレルゲンとなるタンパク質に変質させる。
優等生の回答。しかし、意味が良く分からない。

もっと深く掘り下げると、金属酵素を知ることから
原理・理由が見えてきます。
知る手がかりになる、基本的な知識を記載しています。

酵素
酵素:生体で起こる化学反応に対して触媒として機能する分子のこと。
主にたんぱく質をもとに構成されている。

触媒
触媒:別途記載 触媒とは?

発症が高いと、されている元素
Ni Co Pd Cd Hg
ニッケル・コバルト・パラジウム・カドミウム・水銀
(将来変わる可能性もある)

ミネラル(mineral)元素=人体構成に必要とされる元素
Zn K Ca Cr Se Fe Cu Na Mg Mn Mo Co
亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・コバルト

元素周期表 Ni Co Pd Cd Hg
各元素の特徴、同じ族は周期が変わっても似た性質を持つ。

9族 10族 11族 12族
4周期 コバルト ニッケル 亜鉛
27番Co 28番Ni 29番Cu 30番Zn
5周期 ロジウム パラジウム カドミウム
45番Rh 46番Pd 47番Ag 48番Cd
6周期 イリジウム プラチナ 水銀
77番Ir 78番Pt 79番Au 80番Hg

イオン化について2通りの特性(仕組みを理解する)
全体的な特性を把握して、その中で2通りの特性がある。
①金属元素そのものがイオン化しにくい金属
②酸化被膜を作り、酸化膜の影響でイオン化しにくい金属
2通りのパターンがある。

アレルギー発症が少ないと有名なチタンは、金属表面を削っても、
すぐに酸化被膜・不導体被膜を作り、金属イオンが水溶液に溶けだしにくい為、
アレルギー発症が少ない金属です。
顔料の白色は、酸化チタンが利用され
色褪せない白色は、酸化チタンの色なのです。
安定して強いですね。

余談:大気中でチタン元素は、酸化被膜・不導体被膜が張られる為、
電気接点がとれず電流は流れにくいものです。
チタン素材に電気を流したい場合、プラチナメッキを施し利用されます。

金・銀・プラチナ 元素は、酸化被膜・不導体被膜を作らずイオン化しにくい金属元素です。
銀は、3元素の中では、表面酸化しやすい金属。酸化被膜を作りやすい。
金属元素そのものもイオン化しにくい為、
金属元素の中で銀元素は、もっともアレルギー発症が少ない金属になります。

上記内容で、2通りの仕組みが理解出来てきました。

金・銀・プラチナ金属は、元素そのものがイオン化しにくい金属である。
酸化被膜・不導体被膜とは異なる特性として理解しておきます。

Ni Co Pd Cd Hg
ッケル・コバルト・パラジウム・カドミウム・水銀

カドミウム・水銀
カドミウム・水銀の特性としては、水に溶けるし被膜を作りにくい。
アレルギー発症が高く、中毒や毒性が高い為、使用されなくなっています。

カドミウム・水銀は、過去の事例からアレルギー発症が高い金属と言えるでしょう。

コバルト
コバルトは、酸化被膜を作りやすいので、比較的に安全と思われますが、嫌われますね。
曲がって伝わった噂話なのか?根拠は分かりません。
金属精製過程で、コバルト元素とニッケル元素の分離が難しい為、と考えられます。
(コバルト元素ではなく、分離できないニッケル元素の要因が大きい)

コバルトは、人・動物にとって必須元素であり
動物の成長因子として証明されている。
ビタミンB12の発見・精製過程の発見に繋がった。
人の体に、1.50mg存在し、一日に0.05mg~1.8mg摂取している。

ニッケル
ニッケル・パラジウムは、イオン化しにくい・水に溶けにくい、酸化被膜を作りにくい。
その特性で、アレルギー発症が高い元素と考えられます。

少し、理解に苦しむかもしれませんが、酸化被膜を作らない為、微量にイオン化した成分が
人体たんぱく質・酵素に結合してアレルゲンになるのです。

私の個人的な見解では、ニッケルの触媒作用だと思います。
広義的にアレルギーと言われている。

ニッケル・パラジウムは、単体で利用されることは少なく、
合金元素の1つとして使用されることが多い金属になります。
不導体がキーワードになります。

ニッケル
ニッケルは、一日に食物から0.5㎎摂取し人の体に10mg存在する。
主に骨に蓄積されている。

必須元素・ミネラル元素と認められてないが、体内に存在する。

生きて行く上で、ニッケルの摂取は避けられない。
ニッケルが体内に入ると、+1価+3価のイオンになり
細胞核に侵入し活性酸素を作り出す。その過程でDNAに障害を与え
結果、癌を引き起こすのではないか?
と提案されている。(メカニズムの解明はされていない)
アレルギー発症も、上記内容と関連される。

食物アレルギーの中には、大根・じゃがいも・チョコレート・アーモンドなど
ニッケル成分を多く含む食物があります。
食物アレルギーを見ていくと、その多くにニッケルが含まれている。

人間のニッケル血中濃度は、狭い範囲で一定に保たれている。
急性心筋梗塞や急性脳卒中患者の血中濃度には、増加が認められている。

ニッケルを含むたんぱく質として、植物や細菌に見られる酵素
ウレアーゼがあげられる。この酵素は、尿素をアンモニアと炭酸に分解する。
(アンモニアは強いアルカリ性を示す)
尿酸の分解にはそれが必要で、痛風・腎機能障害・尿路結石などを予防する。
全てが悪ではないことを先に記載します。

ストレス障害
ストレスにより発症するとされていた胃潰瘍は、
近年、ヘリコバクター・ピロリ菌が原因であることが分かった。
現在のストレス障害は、ほとんどが、うつ病と診断されている。

*つい最近まで、無理して仕事すると胃潰瘍になるよ。
と、常識として話されていました。
(世間に認知されるまで、20年も月日が過ぎました。???)

ヘリコバクター・ピロリ菌
ニッケルを含むたんぱく質・酵素からなる細菌である。
ピロリ菌のもつウレアーゼがアンモニアを排出する。
体がPH(ペーハー)値を調整して、強い胃酸を出す為、
胃潰瘍を発症させ、やがて胃癌へと移行する仕組みになっている。
*現在は、抗生物質と合わせ除菌洗浄すれば、再発は抑えられる。

偏った食事・食べ過ぎは、別な意味で、体に良くないことが分かります。
1日のニッケル摂取量0.5mg以上超えると、何か発症しても不思議ではない。

将来、うつ病の発症要因も変わるかも知れませんね。
病気の原因は、時代とともに変わっていくものなんです。
うつ病発症要因もニッケル酵素が要因になるかも?知れません。
ニッケル酵素は、遺伝子DNAを変化させる力があるのですから。
そうなれば、コペテン(コペルニクス的転回)ですね。

日常生活に溶け込んでいるニッケル、いろんな病気の発症と因果関係が
見えてきます。さまざまな立場による利害関係もあり・・・
メカニズムの解明・証明は遠い先になる。

頭の片隅に知識として保存しておきます。

金・銀・プラチナ
金・銀・プラチナは、微量にイオン化しても、
たんぱく質と結合しにくい、アレルゲンになりにくい元素です。

この貴金属3元素は、薬剤として利用されることが多い。
薬剤ということは、分量が多くなれば副作用が出やすい。
他の金属も同じことが言えますが、そのような事柄があることを
前提に、金属素材を知っていて損はない。


金は、科学的不活性である為、自然界では単体で存在する。
金箔を食べたところで、腸内で吸収されることはなく
単体のまま排出される。

金の利用は、シアン化金の化合物が結核菌の成長を抑えることが
分かり、利用されてきた。結核の一種としてリュウマチ性関節炎も結核だろうと
思われていたことから、使用されていた。現在では、
リュウマチの原因、軟骨コラーゲン細胞分解の抑制。
免疫機能に関係するリンパ球の活性化の抑制効果があり、
ぜんそくの治療にも有効性がある。
細胞分解の抑制に関連した治療薬に使用されている。

アレルギー発症は、意外にも報告データが多い。
どのように検証されたのか?不明だけど
金化合物を過剰に投与した場合、
腎臓障害・肝臓障害、貧血、皮膚炎を
発症する症例がある。

金化合物の過剰投与に限る。
金箔では、化合しない。


銀の利用でもっとも有名なものは、臭化銀(AgBr)
光にあてると、銀を遊離する性質を持つ。
現在は、デジタルカメラ主流なので、利用度は低い。
工業系では、ハロゲン元素と化合させて利用されている。

身近に多い利用法は、硝酸銀(AgNO3)
薄めた水溶液の作用でチフス菌を死滅させる効果がある。
銀がバクテリアや細菌類の酵素と結びつき
酵素を失活させる為であると考えられている。

硝酸銀・酸化銀をたんぱく質と反応させると
プロテイン銀が作られる。
プロテイン銀は、殺菌力を保持したまま、刺激性を抑え
鼻炎・扁桃炎の塗布剤、尿道・膀胱の洗浄剤として利用される。
銀は、殺菌作用がある為、抗菌製品・商品で多く利用されている。
Ag+(銀の陽イオン) 最近よく見かける抗菌・消臭製品がこれにあたる。

純銀のアレルギー発症事例は、少ない。
合金された金属や化合物からの影響はあるが、
混同されている可能性が高い、検証は不明。

プラチナ
現代になり、利用され始めてきた金属。
科学的不活性であり、融点が高温、
様々な金属合金として産出される。
単体に精製することが難しいことから
利用が遅れた元素である。

王水以外溶けないほど、科学的に安定している。
赤熱させて錯体として利用することが出来る。

錯体(サクタイ):
金属と非金属の原子が結合した構造を持つ化合物のこと。PtX

科学的に安定した触媒としても多く利用される。
触媒:別途記載 触媒とは?

工業製品の精密部品に多く利用され、温度計・電気接点・
ガラス用ノズル・ガラス用ルツボ・容器・パイプなど利用度が高い。
自動車の三元触媒として多く利用され、
工業製品を製造する上で欠かせない金属になる。
錯体・触媒の研究は、まだまだ未知数であり、
これから、さらに研究が進んで行くと思われる。
将来的にも魅力のある金属。

医療系では、代表的な抗癌剤シスプラチンがある。
大腸菌の培養が抑制されたことから、
癌細胞も抑制されるのではないか?
という発想を元に研究が始められ、
動物実験を行いながら研究を続けられた結果
抑制が認められた。
臨床試験が試され日本では、1985年に認可された。

シスプラチンは、通常の細胞も同様に作用することから、
副作用が大きい。(副作用は多くの方がご存じの通り)
副作用を軽減する化合物の開発と
癌細胞の薬剤耐性が形成されることに対応する
化合物の開発が続いている。
近い将来、副作用のキツイ、シスプラチンは使用されなくなり
別な新薬に変わると思います。(蛍光薬品)

アレルギー発症との関係は、触媒作用がある元素の為
変化させた要因を解明することは困難。
パラジウムと比較しても不活性でイオン化しない為、
身に着ける程度では何も起こらない。
体内に入ると触媒作用の影響は、否定できない。

人類にとって、プラチナは、パラジウムとともに歴史が浅く
耐性がない金属であることも理由として挙げられます。
他の金・銀・銅と比較しても、歴史は浅い。
遺伝子に、耐性が作られるまで、年月が必要かもしれません。
どちらも、科学的に不活性で安定した元素なので、
影響は少ないと思われる。


アレルギー発症が多いとされている金属ですが、
認識が違う気がします。
過剰摂取・何の酵素が影響しているか?
答えが無い。

人類が銅を使い始めた歴史は古く、
紀元前5000年からで、石器時代から青銅器に
置き換わった。

銅は必須元素であり、鉄・亜鉛に次いで多く
成人の体に、70~100㎎含まれている。
脳・肝臓・腎臓、血液や胆汁にも多く含まれている。

体内から銅が欠乏すると、
脳障害・貧血・毛髪異常・動脈異常・骨の異常
を引き起こす。
過剰摂取すると、肝硬変・下痢・吐き気・運動障害・
知覚神経障害を引き起こす。

銅の酵素を作れない先天性遺伝子疾患、
メンケス病・ウィルソン病は、ATPアーゼの欠損、
セルロプラミンを作ることが出来ない疾患であり
症状は、銅の欠乏と過剰摂取と同じである。

銅は、血管を正常な構造に保つ酵素の働きがあり、
動脈硬化・心筋梗塞予防の研究テーマになっている。

銅の影響でアレルギー発症とは?別な要因ではないか?
と疑いたくなる。過剰に摂取なのか?
ホントにアレルギーなのか?
そう簡単には判断できないはず。

ステンレス合金の矛盾(鉄ベースFe50%以上)
サージカルステンレスSUS316、医療用のハサミ・鉗子・ピンセットに利用されている。
SUS316 = Cr18%+Ni12%+Mo2%+C(0.08%以下)
SUS316L = Cr18%+Ni12%+Mo2%+C(0.03%以下)
(SUS316L Lの意味は、Low 炭素が少ないという意味になります)
炭素が少なくなれば、柔らかくなり加工が容易になる。

ニッケルが含まれている金属ですが、Q:なぜ、アレルギーフリー?

A:ステンレス鋼の表面は不導体被膜が形成される。酸化被膜が作られるからで、
チタンと同じ理屈になります。

注釈:サージカル(surgical)の意味は、手術用・外科用のという意味があります。

ステンレス鋼の定義
炭素を 1.2 %(質量パーセント濃度)以下、クロムを 10.5 % 以上含む鋼と定義されている。
サージカルステンレスは、ニッケルが含まれているステンレス鋼で、炭素が少なく配合された合金。

イオン化しにくい金属に、不導体被膜・酸化被膜が付くようになったという理屈です。
被膜の厚さは1~5㎛、削れても即被膜再生されるので安心できると言えます。
詳しいメカニズムは解明されていません。少量は、イオン化されます。

酸化被膜・不導体被膜
ニッケルを合金として使用する場合、鉄・クロム・モリブデンが配合されているか?
それを確認出来れば、ニッケルは大丈夫ということになります。
歯科材料で使用される場合、咀嚼することが前提になり、常に削れ、イオン化される。
ニッケル使用の歯科用補綴物は、ワイヤークラスプ・矯正用ワイヤー以外は
歯科材料では使用されなくなっている。(自粛)

*安価なアクセサリーでステンレス素材を使用したピアス製品があります。
仕上げ方が雑で、ピアス先端が鋭利に尖り、表面に傷が目立つ製品が多い。
それは、金属アレルギーではなく、鋭利な表面の欠陥で外傷になります。
貴金属素材でも、同じ症例は存在する。
それらの発症事例も、金属アレルギーと混同されている。

金属アレルギー発症より、多いと思われるが、その判断は
医師に限られ、見分けることは可能だろうか?

パラジウム
プラチナの代替元素として利用されるようになり、価格が異常に高騰している。
地球上に24000トンしか存在しない金属である。
地殻濃度 0.0006(ppm)
プラチナと同じように、錯体・触媒として幅広く利用されている。

アレルギー発症の影響で、ヨーロッパ諸国では、歯科材料として使用禁止さた金属。
(特に幼児・妊婦への使用は禁止されている)
パラジウムは、体内に比較的に蓄積されない金属であるが、
アレルギー発症の事例数が多い。
さまざまな触媒作用の特性を持つ金属である為、
体内でも影響を与える可能性は否定できない。
メカニズムは、解明されていない。
(厚生労働省の薬事法で、保険適応は続いている)

ニッケルと同じように、酸化被膜ができる配合になれば、
ニッケル合金のSUSと同じようにアレルギーの発症は少なくなると思われる。

クロスカップリング反応や、ヘック反応などC-C結合生成反応の
触媒として利用はさらに広がるといえる。
水素添加触媒や水素の精製など、工業界での利用用途は大きい。
価格もさらに高騰する可能性もあり、そんな理由から利用は控えていきたい金属。

地球上に24000トンしか存在しない金属、1g=350円だった頃に
投資しておけば良かった。現在は1g=5,500円を超えた~残念。

*歯科材料保険適応の見直しを再確認してみては、如何でしょうか?*
2018年12月からハイブリッドレジン・CADCAM冠が保健適用になりました。
(注釈:金属アレルギーがある場合、小臼歯・大臼歯・第二大臼歯 保険適応)

保険適応された、最新のCAD/CAM冠。準備段階なので、制限付き。
金・パラジウム金属価格高騰の対処として、ノン・メタル材料が保険適応に。
知らない人が多いと思いますが、3割負担として治療費は1本10,000円前後必要。
対応できる歯科医院は限られますが、お勧めします。
(制作設備の整った、歯科医院・歯科技工所が限られている為)

保険適応外の治療では、ノン・メタル補綴物が主流になっている。
何処の世界も、設備投資と時代に合わせた知識を持たなければ、
生きていけなくなっています。

セラミック・ジルコニア素材
金属ジルコニウムを酸化させると、ジルコニアになり、
ジルコニウムも、天然ではジルコニア(酸化物)として産出される。

ジルコニアは室温では単斜晶系であり、温度を上げていくと正方晶、
立方晶へと結晶構造が相転移する性質をもつ。
相転移をする為、温度変化に弱い。
その為、熱膨張の衝撃を弱める為に、安定化剤として
カルシウム・イットリウム・ハフニウム・マグネシウムなどを
数%配合すると、相転移が抑制され亀裂が抑えられる。

イットリア(イットリウムの酸化物)を安定化剤として使用すると
ジルコニアに弾性が現れ、ガラスの脆さが無くなり
生体材料をはじめ、さまざまな分野で利用される。
耐摩耗性に優れ、硬くて削りにくい素材の上に弾性がある為、切削時間がかかる。
*弾性=変形しても元に戻る性質。

科学的に安定した、生体材料として最適だと思います。
ノン・メタル セラミックジルコニア。
歯科材料では、主流になっていくと思われる。
天然の歯と、見分けがつきません。
現在、1本治療相場は=フルクラウンで約15万円
メタルボンドが、12万円なので、今は妥当な価格?
(ほとんど加工工賃・機材購入費・素材保障など利益になります)

切削機器が普及し、一般的になると、
前歯以外は、近い将来保険適用になります。
素材自体の価格は、貴金属と比較するとかなり安価です。
近い将来、歯科業界は大きく変わる予感がします。

Cr(クロム)について
金属アレルギー元素として、クロムが多くあげられていますが、
少しニュアンスが異なります。

ほとんどの説明内容は、クロム化合物である六価クロムを示しています。
六価クロム=六価クロムの2クロム酸カリウム
K2CrO4 酸化数が6価ということで六価クロム
強い酸性を示す、猛毒な化合物の金属。

六価クロムは、水銀と同じくほとんどの金属と結合する特性を持ち、
結合すると三価のクロムになり安定する。
皮なめしやクロムメッキとして利用されている。

他の金属と結合すると三価になり安定する。

工業用水に溶け込み、土壌汚染問題など多発した。
工場現場など、作業者の多くに強い酸性の影響で
胃潰瘍や肺癌・胃癌・大腸癌を誘発するとされている。

*メカニズムは複雑
六価クロムから三価クロムに還元される段階で
DNAを切断する作用がある為、発癌性がある
ことが分かっている。

上記内容でクロムの悪いイメージが定着している。

一般的なクロムとは?
一般的なクロムは三価のクロムが自然界に存在する。
ミネラル成分(必須微量元素)であり、
糖分・コレステロールの代謝に不可欠である。
成人した体内に、約2㎎存在し、細胞核に多く含まれている。
毎日、食物から0.01㎎~1.20㎎摂取している。
体内からクロムが欠乏すると、糖尿病を発症する。

上記理由から、栄養ドリンクなどに配合されている。

六価クロムは、毒物であり、三価クロムの金属アレルギーとは別に
検討する必要がある。

Sc(スカンジウム)

Sc(スカンジウム)原子番号21番 地殻濃度18-22(ppm)
密度2989(kg/㎥)軽く柔らかい金属
融点1541℃ 沸点3104℃
上記画像で、1.56g 約 10㎜×10㎜ 純度99.99
どの金属よりも高価な金属であるスカンジウム
ニラコ社の価格を調べると驚くと思います。
金・銀・プラチナ・パラジウム金属のような金融相場は無い。
入手方法により価格は、有って無いようなもの。
一般的に購入は難しい。

最後に不思議なSc(スカンジウム)金属の紹介
3族 原子番号21番 希土類・ランタノイド
この金属だけ、鉱山・鉱床が無くほとんどの鉱石に広く微量に含まれている。
精製・単離が難しい為、高価な金属です。
地殻濃度18-22(ppm)もあるが、年間でも数トンの産出量しかない。

不思議な特徴として
語源であるスカンジナビア半島とマダガスカル島で産出される
トルトバイタイト・ユークセナイト・ガドリン石などの
唯一希少鉱石に多く含まれる不思議な金属。
バオバブの木、別名、さかさまの木は
Sc(スカンジウム)元素の影響ではないだろうか?

マダガスカル島は、固有の動植物が多く、特に鳥類が多い。
原生淡水魚がいない・毒蛇がいないこと
同種族の動物でも個体の大・小差が大きい。
マダガスカル島の植物や動物を知ると・・・
Scの使用試験の誘惑が抑えられない。

実用例
ニッケルアルカリ電池の陽極に
微量に加えると、電圧が安定し寿命も長くなる。
現在は、リチウム電池かな?

金属合金、特にアルミ合金の添加材として少量の配合で
融点が上がり、強度が驚異的に増す。しかし、
チタンの製造が可能になり、利用は減少している。

農業の利用として、硫酸スカンジウムを薄めた溶液で
処理すると、さまざまな種子の発芽が促進される。
他の植物と比較し、お茶の葉に濃度が多く含まれている。
それらの仕組みは、まだ解明されてなく、進行が困難。

実験が上手く進まない理由として、価格が高すぎて使用できない。
合金・化合物にする段階で高温に加熱すると、すぐに酸化され消える。
大気中で、加熱すると、燃えて消えます。
その上で、触媒や錯体の利用も多く広がりつつある。
これから先、不思議な発見に繋がると予想できます。

工業系用途、分析機器、植物・生物・ハードウエアー
最先端合金、軍事産業、医療系と機密事項で研究されている。

これほど、可能性のある金属は、他には見当たらない。
未来は、Sc(スカンジウム)から進化が始まる予感。
雑学として、使えます。

最後に一言
ネット上に、アレルギー関連の内容が多く記載されています。
何故?という問いの答えになってなく、商品の宣伝のみが大半。
曖昧で誤解を招く内容も多々あります。

マイナスイオンのような、偽情報が一人歩きしそうです。
文面から見て、筆者自身、良く理解されないで記載されたと感じます。

金属アレルギーを発症すると、完治しないとも記載している。

アレルギーの原因とされている金属元素も
毎日食物から摂取していること、
体のミネラル成分である元素を、どのように説明されているか?
花粉症と同じように読み取れる。

人体のメカニズムは想像以上に深く複雑なもで、
解明されていないことも多い。
酵素・触媒作用に要因があると思われますが、
その、メカニズムの説明されていない。

ニッケル・コバルト・クロムを含む食品の摂取を控えるようにと、
注意書きが記載されていたりしますが、欠乏症を誘発する恐れがあります。
それは、どのように対処すれば良いのでしょうか?
食物摂取では問題なく、身に着けるとダメ?矛盾を感じます。
体内摂取量との関係は、測定ができない。

金属アレルギーそのものも、最新版の研究と見直しが必要だと感じます。
金属酵素の働きや解明には時間はかかります。
ニッケルの摂取量がキーワードになると予測します。
過剰摂取と金属アレルギー発症例。
認識の違いがあるのではないでしょうか。

ニッケル酵素無害化の研究、面白い研究テーマではないでしょうか?
酵素の学問は、始まったばかり。
さまざまな病気の因子との関連性がある金属。
大きな発見が見つかるかも知れません。
科学の発展には、酵素パワーは欠かせない。

金属アレルギー発症の概念が変わったと感じて頂ければ幸です。
金属アレルギーの仕組み、金属元素の立場から書いてみました。

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